北の国から

お届けする雑記

日本中、いや全世界の教師・教員・先生が読むべき本はこれ。

こんにちは。

この前図書館でこの本を借りました。

なんとなーく読んでみたくなったので借りたというそれだけの理由だったのですが、読んでみたら面白かったので紹介させていただきますね。

  

 「伝説の灘校教師が教える 一生役立つ学ぶ力」
 
進学校で有名な灘校の教員をされていた橋本武さんの著作。
なんとこの本を書かれた年には100歳を迎えたそうな!!
中勘助の「銀の匙」を読み続ける授業をされていたということで一時期すごく話題になった。
確か当時私はまだ小学生だか中学生で、銀の匙という小説があるという事をこの話題に触れた時初めて知ったのだった・・・。
 
橋本武先生が灘校で教鞭をとった50年の思い出や授業のやり方など自伝とも言える様な内容の本であります。
 
どんなに夢や目標に燃えていても学生であればきっと「何で勉強するんだろう」て考える事ってあると思うんですけれども、そんな学生に対しても学ぶ事の楽しさとかを説いてくれるような本だったなぁと思いました。
 
さらに感じたことは、これは先生と呼ばれる立場を目指す(あるいは現在務めている)人には是非とも読んで欲しいなということ。というか必読の書だと思った。
(私自身は教員を目指している立場ではないので他にももっと読むべきものはあるのかも分かりませんが)
 
 
中勘助の小説『銀の匙』。この薄い200ページほどの文庫本を3年かけて読み込みながら、国語の授業時間にもかかわらず、作品内で凧揚げのシーンがあれば外で凧揚げをし、駄菓子が登場すれば教室で実際に食べてみる・・・。
このようなユニークな授業(スローリーディングと言うらしい)をしようと考えた理由として、生徒の心に生涯残って、生きる糧となる授業がしたいという願いがあったからだったそうな。
 
「横道」にすっかりそれたあとに、改めて本筋を見てみる、本筋に戻ってみる。すると、本筋たる勉強や仕事はきっと前よりもずっと豊かになる
ということで横道にそれる授業というのを心がけていたそうです。
横道にそれて知識が増える面白さというものを知ってもらうための授業だったのですね。
 
たしかに「このような授業ができれば」とはみんな思うかもしれませんが
ここまで考えてくれる教師っていまどきいるんですかね。
 
昔はプリンターなど無く、複写の方法といえばガリ版刷りをおいて他になかったそうで、上手くするために自腹でガリ版刷りの通信講座に入会し授業で使うプリントを用意されていたとか。(その心意気に泣ける!!)
 
そのような手間がかかる授業を続けた結果感じたのは
教師の仕事というのは自分の人間性を生徒にぶつけること
と書かれています。
 
そんな信念を持った教員はどれだけいるのだろうか。
私はもう教師という人種が嫌いな人間だったんですが、好ましく思えた先生方は授業の内容よりも人柄といったものの方が記憶に残っていますね。
 
教え子には作家の遠藤周作もいて、この本の巻末に収録されている13ページにわたる対談の冒頭の文章が面白かったです。(もちろん対談も面白かったですが)
 
内容もさる事ながら、「こんな風な人間になりたいなー」と思えるようなお人柄がにじみ出ている本でした。
 
ゆとり世代にとっては知られざる灘校の歴史も面白かったですね。
(職員室にナイフで刺された生徒が駆け込んできた件とか。)
 
マジで教員志望の人は一度読むべき。