北の国から

お届けする雑記

人語を解すネコ

こんにちは。

もはや今週のお題は先々週のお題になってしまった時間ですが、書こうと思います。

先々週のお題「ねこ」

 

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前に住んでいた家の近所の自転車屋さんに人語を解すネコが居た。

毛がふさふさでペルシャと茶トラのハーフみたいなかわいいオスのネコだった。

 

私の家族で最初にそのネコと出会ったのは、母であった。
自転車を修理に持っていった際に出会ったそうだ。

自転車屋の店主のおじさん(80越えてる)は、いかつい見た目にもよらずネコをこよなく愛しているようで

自腹で去勢手術をネコに受けさせたり、たまにエサを与えたりしていた。

猫も雰囲気を感じ取るのか、よく猫が集う自転車屋である。

そんな自転車屋にいたネコである。

 

母が初めてそのネコと出会った時、店主のおじさんは説明したらしい。


「こいつはな、親に捨てられた可哀想なネコなんだ」

すると、店主の隣にいたネコはまるで

「そうなんですよぉ〜」

とでも言いたげに首を縦にわずかに振りながら、にゃ〜

と鳴いたらしい。

 

その後も、近所のおじさん達が集まり、椅子に座って雑談している輪の中に紛れ込み、まるで相槌を打つかのように首を振る仕草は人語を解しているようで面白かったと語っていた。

非常に人間くさいネコだったのだ。

母は「あのネコは人の言葉を理解していた‼︎」とテンション高めに語っていた。

 

気になって自分でも会いに行ってみた。

毛が長くて、フッサフサでペルシャ猫のように見えたけれども、顔がはっきりしていてとても凛々しいネコだった。

凛々しいけどとても人懐こいので妙な違和感すら感じた。

宇宙一かわいいのではないかと思うほどかわいかった。

連れて帰りたかったけれど、当時住んでいた家はペット禁止だったので諦めた。


店主のおじさんは「人に飼われていたペルシャ猫との雑種なのかも」と言っていた。

 

そのネコはフサフサの毛といい色といい、なんだかライオンっぽかったので、

「トラっぽいの」

と呼ばれていた。

名前はなかった。

 

自転車屋の前を通ると、よく人に撫でられている姿を見かけた。

みんなかわいいと思っていたに違いない。

 

そんな人語を解すトラっぽいネコだが、2年程前だろうか尿路結石で亡くなってしまったと聞いた。

とても悲しかった。

 

ネコは自分の死期を感じると人前から姿を消すという。

トラっぽいネコもそうだったようだ。

 

冬のことだった。

店主のおじさんの家のコタツであったまっていたところ、突然体を起こし外へ向かって歩き出したらしい。

察したおじさんは

「そのまま家の中に居ていいんだぞ」

と声をかけたそうだ。

するとトラっぽいのは引き返し、コタツの近くに座り目を開けたまま亡くなったという。

 

母は

「最期に家の中に居ていいよって言われてほっとしただろうね」

と言った。

 

天国で元気に過ごしているだろうか、と今でもふと思いを馳せることがある。